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ドグラのTRPG日記

TRPGをキッカケにして自分の人生を豊かにしたいと考えています

同人経験0の私が多くの人に助けられながらTRPGシナリオ本を完成させた話② 勉強編

TRPG シナリオ作成 同人

はじめに

前回の記事で自分の能力の無さに気づいた私は一からTRPGの勉強をやり直すことにしました。

具体的に何をやるか悩んで思いついたのは、以下の二つです。

  1. 小説の書き方と物語の構成について
  2. 馬場秀和のマスターリング講座

 

小説の書き方と物語の構成について

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これを学ぼうと思ったきっかけは、自分の文章が下手すぎて人に見せられないと感じていたのと、面白いストーリーの構成について学びたかったからです。

つけ加えると、当時の自分はゲームと文芸を同一視していたので、「面白い小説が書ければ素晴らしいシナリオが作れる!」という勘違いがあったのもあります。

1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編

1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編

 

勉強するには教科書が必要。

ということで、アマゾンの書評やレビューを見ながらこの本を選びました。

『1週間でマスター』の言葉につられて勉強を始めたのは良いのですが、本書の課題や参考文献をまじめにやっていたら、いつのまにやら3週間……

私の学習速度が遅いのもあるかもしれませんが、タイトルには若干偽りありです。

ただ内容は、面白い物語の2大要素、2000字から始める実作、文章の推敲の仕方etc、勉強になることでいっぱいです。

私がこの本の中でひときわ目を引いたのは二点。

シンデレラ曲線ハコ書きです。

 

・シンデレラ曲線

まずは以下の図を見てください。

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物語の進行に合わせて、シンデレラの感情の起伏がカーブしていますね。

これは物語の基本形を図として表したもので、曲線に合わせたストーリー構成にすれば、しっかりとしたお話が作れるというものです。

さらに興味深いのが、シンデレラ曲線以外にもいくつかの形が存在することです。

  • ハリウッドのアクション映画のように障害をガンガン乗り越え、盛り上がりを高めていくもの
  • 盛り上がりの最高潮を中盤に配置し、最後にストンと落として切なさを生み出すもの
  • ただ淡々と直線的に日常を続けて読み手に共感を感じさせるもの

私はこの図表を見た瞬間『TRPGのシナリオ作りに使えるのではないか?』という直感を感じ、合間に遊んでいた『深淵』で感触をつかんだ後、ノウハウをツイッターに投稿いたしました。

結果……

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なかなかの反響を得ることができました!

引用リツイートも何件かいただけましたし、人の心に届くような手法だったと感じるような出来事でした。

 

・ハコ書き

これは物語のシーンを以下の項目で書き出す手法です。

1.場所
2.時間
3.登場人物
4.出来事
5.代表的な台詞

読んでピンと来た方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

これトーキョーN◎VAをはじめとするFEARのシーン制ゲームのシナリオと構造が一緒なんですよ。

ハコ書きを元にして小説は文章を書くTRPGはセッションを作る

思わぬところで、大好きなゲームへの理解が深まった瞬間でした。

 

馬場秀和のマスターリング講座

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通称『馬場論』。ご存知の方も多いと思います。

実は私、今から10年前に一通り目を通しているんです。

しかし読んでみたのはいいものの、まだ10代の若造では内容をほとんど理解できず、なんとなく分かった気になっただけでした。

だから、もう一度勉強し直して、自分の知識に加えようと思ったんです。

 最初、web上にアップロードされている原文をつらつらと読んでいたのですが、途中で馬場論がまるまる収録されている『氷川TRPG研究室』さんの同人誌『TRPGシナリオ作成大全 Volume 5』を見つけ、そちらに切り替えました。

馬場論を見て最初に感じたのは、本テキストで語られている多くの手法が現代のTRPGに取り入れられていること。

TRPGの多重目標をハンドアウトという形で明示したりマルチステージ処理をルールに取り入れたりセッション後に投票を行って経験点を配分したりすることが良い例です。

また『シナリオを作ることはゲームをデザインすること』という認識は、私の考えを大いに変えてくれました。

今まで、どうすれば話が面白くなるか、ヒロインが可愛くなるかというところに意識を取られすぎていて、肝心のゲーム部分を面白くする努力を怠っていたんですよ。

目から鱗が落ちると共に、少し恥ずかしくなりました。

そして、最大の発見は『シナリオのストーリーは先人の考えた出来の良いものを流用するべきで、素人が手を出してはいけない』という部分。

正直言いますと、この一文があまりにもショックで半日くらい寝込みました。自分の努力が全否定された気持ちになりましたから。

でも、後の文章とこれを照らし合わせてみると、意思決定や障害の話と合わせて論じられているんですね。

ここで私はひらめきます。『1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド』で身につけたアレと組み合わせてみてはどうだろう、と。

 

二つを合わせたら

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私の思いついたアレとはシンデレラ曲線のことです。

あの曲線がカーブする象徴的な出来事って馬場論で言うところの課題や障害なんですよ。

  • シンデレラが継母と姉からいじめられ魔女に助けてもらうまでが課題の提示
  • 城で周囲の注目を集めて、王子様とダンスを踊るのが障害の解決
  • 12時の鐘がなり魔法が解けてしまう所が最大の課題の提示
  • ガラスの靴が足にぴったりはまる所が障害の解決

というわけです。

この合わせ技を元に、7月に行った2回のテストプレイを分析してみました。

そうしたら面白いことが分かったんです。

  • 1回目のテストプレイは、プレイヤーが積極的にシーンを追加したおかげで、曲線に近いカーブを描いた
  • 2回目のテストプレイは、ほぼシナリオ通りに進んだため、曲線の形がいびつになってしまった

やっと、2回目のテストプレイがいまいちだった理由が見えてきました。

『シナリオのストーリー部分の構成が甘く、プレイヤーにアドリブでシーンを足してもらわないと面白くならない』

9月の中盤も過ぎて、やっと自分の納得できる答えに到達しました。

こうなれば後はシナリオを再構成するだけです。

 

努力したら身についたもの 

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真面目に勉強を始めた結果、実はもう一つ良いことがありました。

それは、TRPGだけではなく自分の仕事も上達してきたこと。

元々作文がそこまで得意ではなかった私は、上司に事務文章を何回も添削してもらっていました。

しかし勉強を始めてからその頻度がだんだん減っていき、今では1、2箇所直してもらえば大丈夫なほど成長することができました。

努力はいろいろなところで繋がっている。

最初にテストプレイ用のシナリオを書いていたとき「自分を変えられるのは自分だけ」という言葉が気になったのは、自分の人生全体を諦めたくなかったからじゃないのか。

このことに気づいた私は、ブログの下のサブタイトルを今のものに書き換えました。

『TRPGをキッカケにして自分の人生を豊かにしたいと考えています』と。

 

同人経験0の私が多くの人に助けられながらTRPGシナリオ本を完成させた話③ コンベと広がる人の輪編へ続く

 

参考資料

TRPGシナリオ作成大全 Volume 5

『TRPGシナリオ作成大全 Volume 5』

編者:氷川霧霞

発行:氷川TRPG研究室

『馬場秀和のマスターリング講座』を完全収録。 原文の内容はそのままに、読者が読みやすいよう校正されており、スムーズに頭に入ってきます。

さらに、実力のあるライターの方々が、ユニークな表現方法で馬場論に対する考察を記事にしています。

現在『クトゥルフのシナリオの作り方』をテーマにした新刊が予定されており、今後の展開も楽しみなシリーズです。

 

書かずに文章がうまくなるトレーニング

書かずに文章がうまくなるトレーニング

書かずに文章がうまくなるトレーニング

 

 書かずにできる32のトレーニング方法。

どのトレーニングも日常生活の中に溶け込ませることができるので、空いた時間を有効活用したい方にオススメできる内容です。

 

文章読本

文章読本 (中公文庫)

文章読本 (中公文庫)

 

私ごときがこの本を取り上げるのは大変おこがましいのですが……

  • 文章の基本は手紙でも小説でも同じ
  • 短くまとめた上で意味が通る表現を使う
  • 難しい単語を使うのではなく簡単で伝わりやすい言葉にする

現代においても通用する文章の基本がまとめられており、執筆の手法や心構えをこれ1冊で学ぶことができます。