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ドグラのTRPG日記

TRPGをキッカケにして自分の人生を豊かにしたいと考えています

TRPGシステム紹介:深淵

TRPG システム紹介

 

深淵 第二版 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)
 

 

はじめに

  最近、身内のプレイヤーの要望もあって、ゴールデンウィーク中に深淵のネットセッション行うことになった。

  深淵は個人的に入っているシステムの一つなのだが、一時期の遊び過ぎが祟り、しばらく遊ぶモチベーションに恵まれなかったため、ルールや背景設定の記憶が自分の中で曖昧になっている。

 そこで、ルールブックをまた一から読み直し、備忘録代わりに紹介文を記述することにした。

 

深淵というゲーム

 深淵は、中世ファンタジー世界を下敷きとした、ストーリーゲームである。

 科学はまったくと言っていいほど発達しておらず、世界は魔法で満ち、神秘的な精霊や恐ろしい怪物が、人々の身近に存在する。

 プレイヤーはこの世界に住む、一人の『登場人物』となり、悲劇的な運命と闘いながら、幻想的で美しい物語を作ることを目指す。

 

深淵の背景設定

 深淵の舞台は、ただ<世界>とだけ呼ばれている、名も無き世界である。

 この<世界>では、

 秩序の神の化身にして、残虐な暴君である『剣の王』。

 己に架せられた残酷な運命を乗り越えるべく、その身を魔に委ねた『魔族』。

 荒廃した世界を再生させるほどの力を持ちながら、己の運命を見通すこのできなかった『巨人』。

 完璧な存在でありながら、一度の愚かな過ちで永きの眠りにつくこととなった『妖精騎士』。

 が、かつての世界に君臨しており、皆、一時の栄華を誇った末に、滅びの道を歩んでいった。

 そして、現在の<世界>の支配者は、

 我々『人間』。

 その人間も、国を作り、人々をまとめ、世界に繁栄をもたらしていったが、戦争、差別、貧困、さらには『魔族』の誘惑によって堕落し、今までの支配者達と同じく、滅びの道を歩みつつある。

  

プレイヤーキャラクター

 通常のTRPGでは、能力値をダイスで決めたり、ポイントを割り振るなどして、キャラクターを作成するが、深淵は『テンプレート』と呼ばれる、他のシステムで言うところのサンプルキャラクターを選択することによって、キャラクターを決定する。

 この『テンプレート』というシステムが大変独特で、

 『傭兵』、『弓兵』、『盗賊』、『魔導師』

 といった、一般的なファンタジーゲームのPCとしてありがちなものから、

 『少年』、『母親』、『白馬を連れた娘』、『死霊』

 など独特なものまで、多岐に渡っている。

 戦士以外にも、民間人や、特殊な出自など、様々な選択肢が提示されているおかげで、キャラクターは、<世界>に住む、一人の『登場人物』である。という部分が、一層際立つ仕掛けになっている。

 

寿命

 深淵のキャラクターには、所定の寿命が定められている。

 この寿命というシステムにより、キャラクターは生命力(HP)が0になる以外にも、時が過ぎ、老衰で死亡する可能性がある。

 そして、この寿命を意図的に縮めることによって、判定を有利にしたり、生命力の減少を食い止め、目の前に迫る死を免れることができるのだ。

 また、キャラクターに定められた寿命は『テンプレート』ごとにそれぞれ異なっており、特別な背景設定が無い限り、若者の方が長く設定されている。

 故に、未来を捨て、今を生きることを選択した幼き『少年』の決意は、老獪な『騎士』や『魔導師』を打ち負かしてしまう可能性を秘めている。

 

運命

 先の項で書いた『テンプレート』というシステム。

 これには様々な種類があるが、同じ『テンプレート』の括りの中においては、能力値、所持品、年齢等、全て同じである。そのため、個々の特徴が出しにくいのではないか?と思う方もいるだろう。

 しかし、この『運命』というシステムにより、

 「頼みごとを断ることができない」、

 「この身に代えても主を守る」

 といった価値観や、

 「最愛の人の命を奪った相手への復讐」、

 「魔族に科せられた呪いの解除」

 など、様々な生きる目的がキャラクターに与えられ、唯一無二の存在を作ることができる。

 『運命』は、ゲームブックに付属している91枚(+運命が存在しない1枚)の『運命カード』の中から、ランダムorチョイスで選択する。

 この選択は、ゲームを始める前の段階で行うこともあれば、セッション中に突如選択を迫られる可能性もある。

 先が決して読めないこの独特なシステムは、まさに『運命』と呼ぶに相応しい。

 

夢歩き

 『夢歩き』とは、夢や幻視、回想を通して表現される、『運命』の暗示である。

 方法としては、『運命カード』に記された、

 『愛する者よ。汝が死すとも、我が愛は永遠に変わらず。』

 『信じて待つべし。いずれ継ぐべき者がここに来る。』

 といった、抽象的な『語り部』のイメージを参考にしつつ、キャラクターの背負った運命を交えて、場面を描写する。

 これは深淵を象徴するシステムであり、他のゲームではあまり見られない幻想的なものである。

 

戦闘

 多くのTRPGにおいて、戦闘は物語の行く末を決定付ける重要な要素だ。もちろん、深淵も例外ではない。

 ただ、深淵の戦闘が他のシステムと違うのは、その一挙一動まで、プレイヤーの意のままに演出できる所にある。

 セッション中、通常プレイヤーは6枚の運命カードを所持している。

 プレイヤーは運命カードを捨て札にすることによって、判定の達成値を増加させたり、カードに記載されたダメージ(髪がちぎれて空に舞うなど演出的なものから、ほぼ即死まで)を与えることができる。

 次に、肝心の対抗判定だが、

 攻撃側:2d6+武器技能値+運命カードの修正値(1~8)+寿命(任意)

 防御側:2d6+回避or防御技能値+運命カードの修正値(1~8)+寿命(任意)

 で対決し、

 攻撃側が判定値で勝てば、武器のダメージ修正に応じた枚数、運命カードを指定し、そこに書かれたダメージの合計を防御側に与える。

 つまるところ、対抗判定には2d6という若干のランダム要素があるものの、運命カードによる固定の修正値や、費やされる寿命の影響が大きいため、攻撃側と防御側、どちらを判定の勝利者とするべきか、プレイヤー達の判断で調整することができる。

 これを応用すれば、

 AとB。二人の騎士が、一人の女性を巡り決闘を行う。

 度重なる剣の応酬の果てに、とうとうBの剣が折れ、Aから降伏を勧告される。

 これを、

 Bの攻撃判定、Aは回避に成功。

 Aの攻撃判定、Bは剣で防御に成功したが、耐久値が0になり剣が破壊される。

 といったように、戦闘描写の隅の隅まで、判定で表現することができるのである。

 

最後に

 長くなってしまったが、深淵は中世ファンタジー世界を舞台とする、悲劇的で美しい物語を作ることに特化した素晴らしいシステムである。

 もし興味が沸いたとしたら、ぜひとも手に取って遊んで欲しい。